「失敗は成功のもと」ではなく、「成功は成功のもと」である

初めまして。よっぴぃです。
今日は研究室のメンターに冗談でロジカルシンキングの練習をしよう!と言われたので、本気で始めてみたいと思います。

本日のテーマは「失敗は成功のもと」ということわざです。

失敗を肯定的に捉えるフレーズでもあり、同じ意味の言葉で、「失敗は成功の母」もあります。
そんな伝統的知識から発生した言葉ですが、その科学的な根拠はあるのか見てみましょう。

例えば起業家が二人います。一人目は起業経験ありですが、一度失敗してまた起業しようとしています。二人目未経験者であり、初めての起業です。その中で誰が成功する可能性が高いのだろう?
もしあなたは、「失敗は成功のもと」を信じるのであれば、一人目の成功率が二人目より高いと思うのであろう。

ハーバード大学の研究で、1975年から2003年アメリカ国内すべての起業者に対しての統計から、一人目は二人目に対し、なんの優勢もないということを発覚しました。そして、過去の成功は未来の成功に繋がることもわかり、もし一回目で起業成功であれば、二回目の起業成功の可能性は50%上がるだそうです。

有用な経験はなんだって? 成功した経験こそ有用な経験に決まっているじゃない(笑)

過去の失敗経験は、あなたの未来の成功にあまり役立ちません。ずっと失敗している人は、将来一番起こり得るのは慣性的に失敗するのであって、未経験者以下です。 →というのが研究からわかりました。

よっぴぃの主張としては、成功こそが成功のもとであります。

ではなぜこのことわざが存在しているのだろうか? 大辞林では、「失敗は成功のもと」はこう定義されています:

失敗すれば,方法の誤りなど失敗の原因もわかるので成功へ一歩近づくことになる。

ここで注意してほしいのは、方法の誤りなど失敗の原因もわかる ≒ フィードバックがあることです。

例えば運転免許を取ろうとして、路上教習を受けます。初めて車を運転するのでミスを起こし、となりに座っている指導官に注意されます。 注意されたことによって、どこが悪かったがわかり、それをどうすればいいかが教習で身に付きます。 それで次回よりうまく運転できるようになる。

そうです。こうした「失敗は成功のもと」が成り立つモデルは、フィードバックつきなものが多いです。 いわゆる訓練中の失敗。失敗してもそこまで大きなダメージが喰らわないものです。

まぁそんなの厳しい意味で、失敗じゃなく試敗ですね。

生活の中で真の意味での失敗はそうゆるいものじゃないです。
例えば、冠動脈バイパス術は、とても複雑な手術であり、失敗をするということは、患者さんが死亡することになります。
ハーバード大学KC Diwasさんの研究では、6515件の冠動脈バイパス術において、手術の成敗は医師個人にどんな関係性があるか調べました。 そしたら面白い結果がでました。
- もしその医師が手術失敗すると、次の手術はもっと失敗しやすく、彼の手術成功率は低下し続ける。
- もしその医師が手術成功すると、次の手術はもっと成功しやすく、彼の手術成功率は上がる。
- もしその医師が手術失敗すると、彼の同僚の手術成功率は上がる。
- もしその医師が手術成功しても、彼の同僚はなんの影響も受けない。

まぁつまり、私の失敗は私の成功のもとでなく、他人の失敗は私の成功のもとっていうことですね。

仮設ですが、これは人が失敗に対する解釈ではないかと思います。
人間は成敗に対して、つねに”自己感覚をいいほうに導く”ではないかと考えられます。
成功すると、”俺はスゲーから成功するんだ”。失敗すると、”これは自分が不利な外部条件を受けたからだ!”という方向に考える。
例えば、これは天気が悪いから、審判が不公平だから、手術中予想外の問題が起こったから。。。 人はそうして言い訳を考える傾向に傾き、自分がだめだからというのを考えません。

そうしたら、フィードバックが成り立ちません。そうした失敗から教訓をまとめないからである。

それに加え、現実ではそう簡単に良いフィードバックを得ることができません。つまりフィードバックを与える側にも影響されるということです。
例えば、芸術家にフィードバックを与えることで、彼らに役立てることができるかどうかは、結構論争的な問題だと思います。
フィードバックは二種類あると思います。
一つは個人に対するフィードバック。もう一つは技術動作に対するものです。
”あいつはだめだからなぁ”
”あの子の発表はくそだね”
(読者が悪い思いをされないように、三人称に直しましたが)この場合、フィードバックというより、個人への攻撃です。
どのことがだめだったかは明言せずに、相手を否定している言葉だからです。
そうすると、悪いフィードバックからの自己否定や、緊張につなぎ、悪い影響しかありません。
良いフィードバックとは、個人に対するものではなく、その人の技術動作に対するものです。

したがって”よい失敗”とは以下の三つの条件を満たすものです:
- 即時。 ミスるとすぎに指摘されること。
- 人に対してでなく、 ことに対して。
- 失敗の対価は小さい。

そう考えると失敗ではなくミスレベルで試敗です。

まとめ

良い失敗とは小さい失敗または他人の失敗である。   

“失敗"の価値はフィードバックである。

フィードバックのクウォーリティーはする相手に依存する。

成功は成功のもとである。